音読はすぐれものの武器である
最近の子の勉強の仕方は、「これって、勉強しているって言えないだろう」と思うことが多々あります。
「読む」だけ(目だけを使って、筆記用具を使わず)で終わらす子が結構な数いるんですよね。
びっくりですよね。私のような昔人間には不思議な勉強方法です。読んで書いての繰り返しで勉強してきましたから。
今の子の勉強の仕方は、黙読だけでラインを引くわけでもなく、ましてやノートにまとめるなどといった手間ひまのかかる学習方法に取り組む風景を、あまりお目にかかれなくなりました。
そこで、どうせ黙読するするなら、せめて音読にしてみましょう、を提案します。
かつて、部活に忙しい高2生の子が、「あした期末テストなのに、何にも準備できてなぁ~い」と、甘えながら来たので、「せめて音読ぐらいはしとけ」ということで、自習室に詰め込んでおきました。
その結果、苦手な「化学」を教科書の音読だけで臨んだ結果、70点取りました。
音読の効果は実証済みです。音読は、絶大な効果があります。ぜひお試しあれ。
で、音読がなぜ効果的なのかを簡単にご説明します。
■音読と脳との関連
①声を出す働きは、「ブローカー野」、と呼ばれる脳の領域を使います。
②口から出した声を聞くのは、「ウェルニッケ野」という領域。
③文字を見るという作業は、さらにこれとは別の領域を使います。
つまり、音読は、脳の三ヶ所以上の領域を、使っているので、脳への刺激にとって、とても効率がいいわけです。
また、刺激が、大きければ大きいほど、脳は記憶を確実にし、忘れにくくします。
過去の、いい出来事よりも悪い出来事のほうが、鮮明に思い出されるのは、悪い出来事のほうが、刺激が大きいからです。
目、口、耳の3つを使って、読むことになるので、刺激が大きくなり、覚えやすくなる上に、忘れにくくなる、というわけです。
■さらに効果をあげる方法
音読をするときに、「感情を込めて、声に変化を持たせて」読んでみましょう。
もちろん、大きな声のほうが、効果が大きいですが、小さな声でも効果があります。
声に抑揚をつけるのも、ポイントです。
感情が伴うと、脳は覚えやすくなる、という法則もありますから。
私は受験算数の問題を解くとき、必ず音読しながら情報整理のために線分図などを書いていきます。こうしないと問題が何を言っているのかが理解できないからです。
情けない話ですが、黙読だけでは読んでいるつもりで実は読めていないので、授業の時は読みながら板書することを必ずします。
音読は、効率のよい勉強方法の第一歩ではないかと思いますが、どう思いますか?
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